吾輩はクズである
「ご苦労様。帰っていいわよ」
「お言葉てすが、お嬢様」
「なに」
「脱衣場とキッチンのカメラの配置が微妙でしたので。移動させておきましょうか」
「どこが? 絶対見つからないと思うけど」
「あれだと死角ができます」
「ふーん。……それは困るわね。直しておいて」
「かしこまりました」
「この部屋とキッチンにもいい感じにお願い」
「ボーナスたんまり弾んでくださいね。こんな時間まで働かされ。それもハイリスクなことを……いや一番の気がかりは犯罪行為に加担していることよりも旦那様にバレたら私まで……東京湾に沈みかねないところにあるので」
「ハイハイ。ちゃんとパパに言っておくわ。高杉のおかげで毎日が充実してるって」