吾輩はクズである

…………頭がイテェ。


二日酔いだ。


ひっさびさに、ここまで呑んだな。


目が覚めたときには美少女は部屋にいなかった。


だったらあれは幻覚だったのか?


「……いや。紛れもなく現実だ」


ベランダに出ると、一週間分の洗濯物が綺麗に干されていた。

干しきれない分は、浴室にも。


ところでなぜか

あの子の下着が上下セットで干されたままだったのだが、つけずに帰ったのか?


ドジっ子とおりこしてバカなのか?


仕方がないから一応たたんで袋に入れしまっておいたが。


朝食の準備までしてくれていた。


冷蔵庫には、冷奴と野菜スティック。

鍋には薄口の味噌汁。


意外や意外、家庭的である。


実にあっさりしていて胃に優しいメニューだ。


ドジだけど気のきく子だな。
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