クールな歌姫は次期「sky」の総長候補~クールな歌姫の恋物語~
「他の10人もって、また悠雅さんのことだから、強制で「sky」に入らせたんですか?」
「強制とは人聞き悪いじゃない結香。皆、ちゃんと自分の意志で「sky」に入ったのよ」
悠雅さんはこう言っているけれど、この人は強制したに違いない。
この人が人の意志を尊重した試しが、今までにないからそう言える。
私が頭の中で色々と思考をめぐらせている時のこと
だった。
今まで口を閉ざしていた桐香が口を開いたのは。
「悠雅さん。何でオレと結香姉を「sky」に入らせたいの?理由次第でオレは入るかどうか決めるよ」
「そうね。まだ「sky」に入って欲しい理由を2人には言ってなかったわね」と悠雅さんは言った。
悠雅さんはいつも肝心なことを言わない。
その上、勝手に物事を進めようとすることも多々ある。
とりあえず私も理由を聞くことにした。
「悠雅さん。私はその理由が1番肝心だと思うんですけど。私も桐香同様、その理由次第で考えさせてください」
私がそう言うと、悠雅さんは「わかったわ。今からその理由を話すから、2人共聞いて欲しい」と言った。
悠雅さんのその言葉に私達は、こくんと頷いた。
「2人に「sky」に入って欲しいのは、最近また、巷で暴走族の連中が暴れたりして、ケガ人や色々な被害が続出しているらしいの。そこで2人にも「sky」に入って欲しいってわけ。わかった?2人共」
またしても強引に事を運ぼうとするな。
この人は。いつものことだけど・・・
私達の予想していた通り、やはり、面倒なことに巻き込まれるのね。
だからといって、ここで黙って引き下がるわけにはいかない。
ここで引き下がったら、悠雅さんの思うツボだ。
何か反論しないと・・・