裏はないちもんめ〜禁じられた少女たちの遊び〜
 ゲームが始まり、あたしが飛び込んだのは図書室だった。


 多くの生徒の手を行き来したであろう古びた本の表紙が並ぶ。


 本棚の陰に何かいるのではないかと恐怖を感じ、あたしはぎゅっと目をつぶった。


 1、2、3、……おそるおそる目を開けると、そこには依然として古びた本が並んでいるだけ。


 だめだめ、変なこと考えちゃ……。


 ただ1人になっただけで、その心に襲い来る不安や恐怖は耐え難いものがあった。


 物陰に何かいるのではと、余計な妄想をしてしまう。


 だけど意識的にその妄想を頭の外に押しやると、あたしは図書室を探し始めた。
< 69 / 157 >

この作品をシェア

pagetop