裏はないちもんめ〜禁じられた少女たちの遊び〜
 受付の棚の下、いない。本棚と壁の隙間、いない。


 あたしも結構痩せてる方だけど美依はそれに輪をかけてスリムだから、普通の人なら入れそうにないところにまで隠れていそうで怖い。


 もうこのゲームの中で図書室を探したくはないから、そのためには見落としのないよう丁寧に探していかなければならなかった。


 そして、あたしが4つ目の棚の下を覗いたときだった。


 誰かの足が、地窓の向こうの廊下に見えた――。


 その足は、動きやすい黒のスニーカーに白の靴下を履いていた。


 その足は。その足は。


 あたしは記憶の扉を叩く。


 間違いない。昨日美依が履いていた靴と靴下だ。
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