裏はないちもんめ〜禁じられた少女たちの遊び〜
 背後に気配を感じ振り向くと、


「――っ!」


 「参」のカミサマの鋭い爪があたしのほんの1ミリ前を通り過ぎていった。


 まさか仕損じるとは思わなかったのか、カミサマの動きが一瞬鈍る。


 その隙にあたしは美依へ向かって走り出した。


 さっきまでこの周辺にカミサマはいなかったはずだ。それを呼び寄せたのは――。


 あたしは慌ててぶつかってしまった棚を思い出し、唇を噛む。


 とにかく。


 見つかってしまった以上、あたしにできるのは逃げること、そして美依を捕まえることだけだ。


 カミサマの足の速さを考えると、ここから逃げ切るのはおそらく無理。ならば。


 美依を捕まえるしか、ないでしょう?
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