裏はないちもんめ〜禁じられた少女たちの遊び〜
 美依の消えた角を曲がり、現れたのは3階へ続く階段、そして1階へ続く階段だった。


 カミサマは確実に迫ってきている。


 どちらに行くべきか。悠長に判断している余裕はない。


「――こっち!」


 あたしが選んだのは3階だった。


 根拠なんかない。完全にカンだけの勝負。


 そして――――。


「いない……」


 長く続く廊下に、美依の後ろ姿はなかった。
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