甘味(短編集)
「うん、晃くんとは赤ちゃんのときから一緒」
「ふぅん、幼馴染ってやつ?いつから付き合ってんの?」
「うん、中学の卒業式の時から」
小学生の時から、晃くんが大好きで、何度も告白しては、妹みたいだからとか、犯罪とか、答えにならない事ばかり言われて、はぐらかされていた。
何百回目かというくらいの告白。
中学卒業式の後、これでダメなら諦める覚悟で告白した。
「やっぱり私は晃くんが大好き、でもこれで終わりにするよ!妹になる!」
なれるか分からないけど。
少し遠くから叫ぶように告白した私をいつもの無表情で見ていた晃くんは、突然スタスタと近づいてきて、お尻の下に腕を回し簡単に抱き上げられてしまった。
「妹になられちゃ手、出せないだろ、志帆は俺のもの」
「え……え??……うん??」