甘味(短編集)
私の席まで来た晃くんは、チラッと私を見てから私のカバンを肩にかける。
その後一也くんを見て、ちょっとだけ顔をしかめた。
なんで??
「青木先輩っすね、俺はシホの友達の…」
「新沼一也だろ、噂には聞いてる、志帆といてくれてありがとう」
何となく、いつもと違う晃くんが、一也くんの言葉を遮って話を終えてしまう。
「志帆、帰るよ」
「う、うん、じゃあ一也くん、またね」
手を引かれながら一也くんに挨拶していると、いつもより強い力で握られている。
それに歩くのも早い。