甘味(短編集)


ハッと顔を上げれば、無表情のまま私を見下ろす晃くん。


私は開き直った。


「だって晃くんいい匂いするし、抱っこしてくれてるし、大好きなんだもん」

普段はあんまりこんな事言えない。


ギュッと抱きついて再び見上げる。


晃くんは顔色をほんのり赤くして、目をそらした。


「……志帆、今日は帰っちゃダメ」


「ふふ、うん、晃くん好き、大好き」


「俺は愛してる」


END
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