クローバー2~愛情~
「・・・たく・・・」

「僕の彼女に何か用ですか?」

「いいのよ、カズキくん。私は、もう、完全にあなたのものよ。・・・拓也、結婚おめでとう。10月だっけ?幸せにね。これで、ほんとのさよならだね」

「美穂、俺は君にひどいことを・・・」

「いいのよ、私、今、本当に幸せ。拓也が振ってくれたから、今の幸せがあるの」

「許してくれるのか・・・?」

和希が割って入った。

「許すも許さないも、彼女と幸せになるのは、この僕だ。あんたは関係ない」

「そゆこと」

満面の笑顔の美穂。

「そっか・・・さよなら、美穂」

拓也が手を差し出した。手を握る美穂。こんな思いでこの人の手を握れる日が来るなんて思わなかった。和希のおかげだ。

「美穂、早く行こう」

「うん」

見送る拓也は、どこか切なげだった。
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