新社長と二度目の恋 ~御曹司は私も子どもも離さない~
なにか耳元で物音して私が目を覚ますと、そのすぐ横で上半身裸でベッドの脇にもたれかかってタブレットを操作する夏彦の姿あった。
…そうだった。
私…夏彦と―――
「…夏彦?」
「悪い。起こしたか」
「うんうん」と首を横に振りながら、体を起こして夏彦の横に寄りかかる。
「なにしてるの?」
「会社の各部署関係のデータを見てた」
「そう…。あのね、夏彦」
「ん?」
「私でよければ引き受けるわ」
「秘書の件?」
夏彦の問いに無言で頷いた。
「わかった、ありがとう。数日中には辞令を出すから」
「うん」
夏彦は持ていたタブレットをスタンドの横に置き、私を胸のほうへ抱き寄せる。
「深琴、シた後で改めて聞くのもおかしいけど…俺たち『ヨリが戻った』と思っていいんだな?」
「…じゃなかったら、あなたに大人しく抱かれたりしないわ」
私がそう答えると、夏彦は苦笑いをしながらも微笑んでキスをした。
そして、再び押し倒されて夏彦は私を愛撫する。
「もう…ダメ…っ」
「深琴、結婚しよう。籍を入れるのは仕事が落ち着いてからでいいけど…夏輝と3人で一緒にすぐにでも暮らしたい」
「…今、プロポーズするのはズルい…」
「悪い。…んで、返事は?」
夏彦は意地悪な顔で微笑む。
…そんなの、ずっと前から決まる。
「もう『別れてくれ』と言われても離れない」
「ん、そうしてくれ」
こうして、私はもう一度夏彦の隣に戻って来た。