新社長と二度目の恋 ~御曹司は私も子どもも離さない~
帰りは雪さんにアパートの近くまで車で送ってもらった。
歩き出すと携帯が鳴った。
「ん?兄貴から?」
そう呟きながら、メールを開いた。
【高田夏彦:今日はありがとうな。
これからは”義理の兄”として、なにかあればいつでも相談してくれ】
【頼りにしてるよ、兄貴。
今度、姉貴と夏輝を手離したら本当に殴るからな!】
拳を突き出しいるスタンプを共に返信すると、すぐに既読なって返信がグットスタッフと共に送られて来た。
【高田夏彦:なにがあっても手離さねぇよ。
離れてた分まで幸せにする!】
「…当たり前だ」
そう呟いて、携帯をしまった。
「朔也!」
誰かに呼ばれて顔を上げると、アパートの前に一月兄の姿があった。
「一月兄、どうしたの?こんな時間に…」
「お前と少し飲みたくなってな」
…ああ、姉貴となんだかあったな。
兄貴との結婚の事はタイミングを見て、一月兄には「自分で話す」と姉貴が言っていた。
「一月兄も明日は仕事だろ?」
「一応、着替えは持って来た」
「泊まる気かよ。…ったく」
そう言って、俺は一月兄と一緒に部屋に向かった。