新社長と二度目の恋 ~御曹司は私も子どもも離さない~
待ち望んでいた瞬間と新しい日々


【深琴】


4月、最後の土日。


私と夏輝が夏彦のマンションに住み始めて、2週間が過ぎた。

そして、今日は夏彦の実家に改めて挨拶をしに来た。

家は一般人の私には、豪邸のような一軒家。

「うわ~、大きいね!ママ」

夏輝が家を見上げながら言う。

「そうね…」

「夏輝、おじいちゃんとおばあちゃんにちゃんと挨拶するんだぞ」

「うん!パパ」

夏輝は夏彦に元気よく頷いた。

「深琴」

「なに?」

「そんなに緊張しなくても大丈夫だ」

そう言って、夏彦はそっと私の手を繋ぐ。

「夏彦…」

「言ったろ?『親父は最初から反対してない』って…」

そう言って、夏彦は私に微笑んだ。

「パパ、ママ。早く早く~~!」

「「はい~~!」」

私たちを手招をする夏輝に2人揃って、笑顔で返事をした。



< 28 / 90 >

この作品をシェア

pagetop