新社長と二度目の恋 ~御曹司は私も子どもも離さない~
待ち望んでいた瞬間と新しい日々
【深琴】
4月、最後の土日。
私と夏輝が夏彦のマンションに住み始めて、2週間が過ぎた。
そして、今日は夏彦の実家に改めて挨拶をしに来た。
家は一般人の私には、豪邸のような一軒家。
「うわ~、大きいね!ママ」
夏輝が家を見上げながら言う。
「そうね…」
「夏輝、おじいちゃんとおばあちゃんにちゃんと挨拶するんだぞ」
「うん!パパ」
夏輝は夏彦に元気よく頷いた。
「深琴」
「なに?」
「そんなに緊張しなくても大丈夫だ」
そう言って、夏彦はそっと私の手を繋ぐ。
「夏彦…」
「言ったろ?『親父は最初から反対してない』って…」
そう言って、夏彦は私に微笑んだ。
「パパ、ママ。早く早く~~!」
「「はい~~!」」
私たちを手招をする夏輝に2人揃って、笑顔で返事をした。