新社長と二度目の恋 ~御曹司は私も子どもも離さない~


社長室と副社長室は、秘書課と同じフロアにある。

「小日向、こっちだ」

夏彦の名字呼び呼び捨てに、なんか違和感を感じる。

「雪(ゆき)、副社長」

夏彦は黒髪で中年男性の副社長と、私と夏彦のブラウン・ベージュ系とは少し明るいミディアム系の髪型した私たちと同い年くらいの男性を呼び止めた。

「副社長、雪。…彼女が―――」

「小日向深琴と申します」

「社長の秘書で、従兄弟の間柄でもある―――”高田雪”です」

「現副社長で、夏彦の叔父の間柄でもある―――”高田冬也(ふゆや)”です」


…へぇ、2人共。

夏彦の親戚なんだ。

ちなみに、現会長は夏彦の父親―――”高田夏也(なつや)”。

…あっ、そうえば…なんでこの会社に就職ができたんだろう?

会長は私と夏彦の交際に反対だったはずなのに…。

じゃあ、なんで?

「…そうか、君が夏彦の…」

「えっ…?」

「おや…副社長。その話は…」

副社長はなにか言いかけたが、雪さんが慌ててそれを止めた。

「ああ、すまない。仕事中だったな。…夏彦、後は頼んだ」

「はい」

そう言うと、副社長は自分の仕事に戻っていった。

そして、私は雪さんに「どうぞ」と言われて夏彦の後に社長室に入った。



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