新社長と二度目の恋 ~御曹司は私も子どもも離さない~
【深琴】
私は夏彦に手を強く繋がれたまま、秘書課に連れて来られた。
「深琴、大丈夫!?」
香純が私たちのほうに心配そうな顔をして、駆け寄って来た。
「心配かけてごめん…」
「―――岡田、しばらく俺が部屋から出て来るまで誰も中に入れるな」
その怒り混じる声と顔に、香純はハッとしたような表情を浮かべた。
「…かしこまりました」
「ちょっ…社長―――!」
―――バタン!
夏彦に荒ぽく社長室に押し込まれたかと思うと、ソファーに押し倒されて貪るように舌を激しく絡め捕れるキスをされる。
「んんっ…ふぅ…ダメっ」
「…あんな所を見せられて、このままじゃ仕事に手がつくわけがないだろが…!」
場所のせいだろうか、上着を脱いでネクタイを緩める姿にいつも以上にドッキとする。
ここで、こんな事は「ダメだ」ってわかってる。
「安心しろ、この部屋は防音だ。声を出しても外には聞こえないし、誰からも姿を見られる事はない」
そう言いながら、夏彦は私の服のボタンを外して…身体を愛撫する。
「やっ…ふぅ…あっ…」
…一月の時は、あんなに身体が抵抗したのに…。
どうしても私は―――
この男だけには…抗えない。
「深琴…っ」
―――結局、私が仕事に戻れたのは…それから30分が過ぎた後だった。