新社長と二度目の恋 ~御曹司は私も子どもも離さない~
その後、夏彦がベッドに背中を預けるようにして、後ろから私を抱き締める。
「無理させて悪かったな…」
「…んで、一月となんかあったの?」
「一月とは、深琴の昔話をしただけだよ」
「だったら、どうして…」
「―――”島田暁人”…」
夏彦の口から彼―――暁人の名前が出てきてハッとして後ろを振り向く。
「落ち着いて聞け」
そう言いながら、夏彦は私の頭を自分の胸のほうへ寄せた。
「9月1日から島田がウチの会社に入社する」
「…えっ」
顔を上げて、夏彦を見る。
「それと、香織が帰国する。島田と香織は『大学時代の同級生』だったらしい」
「つまり…暁人がウチの会社に来るのって…」
「…偶然じゃない、かもしれない」
「……っ」
体が震える。
…また、香織さんに逢うの?
夏彦と私たちを引き離すつもり?
この事に暁人も絡んでるの?
そんな事を思ってると、夏彦に強く抱き締められた。
「…大丈夫だ。香織がどんな事を言ってきても『4年前』のようにはさせない。俺は…深琴と夏輝を離さない」
「私も…離さない」
そう言うと、夏彦は首筋にキスを落としながら囁いた。
「…だったら、『元カレ』と2人きりになるなよ」
「な、なんで知って…!」
「さぁな~?」
誤魔化すように夏彦は微笑んで、再び私の唇を塞いだ。