新社長と二度目の恋 ~御曹司は私も子どもも離さない~
香織さんが帰った後、夏彦は香純に「少し、2人にしてくれ」と言い残して私の手を引いて社長室に入る。
なにも言わずに、一緒にソファーに座った。
夏彦が心配そうに私を見つけて、自分の胸へ抱き寄せて頭を撫でた。
「…悪かった」
「さっきも同じような事を 聞いたわよ、それ…。それに夏彦が謝る事じゃない。―――でも、『4年前』と少しタイミングが似てたから怖かったわ」
「『タイミング』?」
私の言ってる意味が「わからない」という顔をして、夏彦が聞き返してきた。
そんな夏彦の片手を取って、自分のお腹に手をあてた。
「…朝、病院に行って来たの。そしたら、妊娠2ヶ月…6週間目に入るところだって」
私は穏やかに優しくそう言った。
「……」
いつまで経っても反応がないので、 夏彦のほうを向くと今まで見た事がないくらいの驚いた顔をして私を見つめていた。
「…夏彦?…もしかして、固まってるの?」
「…ああ、悪い。…嬉し過ぎて動揺した」
「…フフフ。この子の成長は『始めから』一緒に見守ってね♪」
「ん、ありがとう。…でも、やっぱり夏輝の成長も『始めから』見守ってやりたかった」
「…夏輝の成長も、まだまだ『これから』よ♪」
「そうだな…」
夏彦はそう微笑んで、私にいつもの優しくて甘いキスをした。