一年後の再会
1章 別れ
最期の日
「おい、真戸華。そんなに走るとコケるぞ?」
観月雅哉(みづきまさや)は前を走る恋人に声をかけた。
「何言ってるの。子供じゃないのよ?あたしなら大丈夫」
と、笑顔で答えたのは笹根真戸華(ささねまどか)。
雅哉の恋人だ。
二人はやっと取れた休みを使って、一泊二日の温泉旅行に来ていた。
部屋は広々としていて、窓からは緑で溢れた自然を見ることができる。
旅館のすぐそばに土産物屋があると聞いて、二人は温泉に入った後そこを訪れていた。