一年後の再会
最期に、どこかで冷たいものでも飲もうかな。
雅哉は近くに喫茶店を見つけて中に入っていった。
「―――あの、営業中ですか?」
思わず訊いてしまうのも無理はない。
店には客が一人もいなかった。
「もちろんです」
と答えたのは、店のオーナーと思われる白髪の老人だった。
笑顔がとても穏やかで、雅哉は無意識のうちに微笑み返していた。
「アイスコーヒー一つ」
「はいはい。今日は暑いからねぇ、ウンと冷たくしてあげるよ」
老人は笑顔で言った。