一年後の再会
―――いい店を選んだなぁ。気持ちよく逝けそうだ。
雅哉は窓際の席に座って、行き交う人を眺めていた。
―――この世に生きる全ての人間は、必ず何らかの悩みを抱えているんだ。
押し潰されないように、毎日懸命に生きてる・・
俺は負け犬だ。
―――罪の意識に耐えられなくて、死を選んだ負け犬だ。
しかし、これも運命。
全ての生命は、生まれた瞬間から決められた道筋を歩んでいく。
俺もその道筋に沿って生きてきただけだ。
・・・誰にも文句は言わせない。
「お待たせしました」
ウェイトレスがテーブルにアイスコーヒーを置いた。
「ありがとう」
雅哉は少しだけ顔を上げて、ウェイトレスを見た。
次の瞬間―――
ウェイトレスが勢いよく雅哉に抱きついた。
「会いたかった!」