一年後の再会
「ごめんなさい」



梢は頭を下げた。



「真戸華さんと食事中だったんですよね」



「いや、いいんだよ。―――梢ちゃんの身体なんだし」



雅哉は、正直ホッとしていた。



今の真戸華といると、自分が自分でなくなってしまうような、不思議な感覚に襲われるからだ。



―――真戸華への気持ちが少しずつ薄れていくのを感じていた。



そう。



真戸華はすでに死んでいるんだ。



今、存在してはいけない人間。


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