一年後の再会
2章 再会
死に向かう男
「ねぇ、観月くん。お昼一緒にどう?」
休憩のベルと同時に、平井友江(ひらいともえ)は雅哉の肩を叩いた。
友江は社内一美人と有名の女。
しかし、この会社に勤め始めてから一度も、恋人を作ったことはなかった。
その理由は社内の誰もが知っている。
―――雅哉に恋しているのだ。
しかし、雅哉の隣にはいつも真戸華がいた。
「美味しいお蕎麦屋さん出来たの。行ってみない?」
真戸華が死んでからというもの、毎日のように雅哉に声をかけている。
しかし、雅哉の心の中には未だに真戸華が住みついているようだった。