一年後の再会
「悪いけど、一人で行ってくれるか?」
雅哉は振り向きもせず言った。
「切りのいいところまでやっておきたいんだ」
「―――そう。残念だわ」
友江は寂しそうに呟いた。
「じゃあ、また明日にでも」
「ああ」
雅哉の返事を聞いて、友江はため息をついた。
いつもそう。
『ああ』とは言うけれど、守ってくれることはない・・・
その場限りの返事なら、いっそ断ってくれたほうがいい。
――それでも、あたしはバカみたいにまた同じことを訊くんだわ。
『お昼一緒にどう?』
そして、『明日』と引き延ばされる。
その繰り返し。