*伝説と言われたあの子*
何度も何度も車の中で言われた言葉。
普通だったら理事長室じゃなくて、職員室なんじゃないの??
とは思ったものの、なにぶん学校経験が浅く、
ましてや転校?あれ、途中から入るから編入?なんて、私の人生であるはずも無く。
少しだけ疑問に思いながらも頷いた記憶はまだ新しい。
『にしても大っきいなぁ』
両側開きの大きな門に、大きな校舎。
この位置から見ても校舎が三つくらい、目に入る。
そのどれもが大きく、横にも長く、外壁からしてもまだ新しい様に感じた。
築2、3年くらい、かな
『よし、がんばって理事長室さがそっ』
間違いなく迷いそうな校舎の広さに、若干引いてしまったのも無理はない。
だってさ、学校って‥‥もっと古くて、建物に味がありそうな
そんな創りじゃないの?
なんか想像と違うし、
しかもかなり交通時間かかるし、
車に乗って約3時間ちょいで着くって事は電車だと、
えぇっと、
うん。まぁ、かなり大変そうなのが伺えた。
『大丈夫かな、私』
不安だらけの初日、
出かかったのはため息で、自然と下を向く顔。
俯くと見慣れた淡い紫の髪が目に映る事はなく、
変わりに視野に入ったのは黒色の髪。