*伝説と言われたあの子*
ふふっ、このお茶の良さが分かるなんて通だなぁ

甘いお茶とかはなんだろ、

薬品みたいな味がして飲めないけど。


この抹茶、名前は『お"抹茶』って言うんだけど好みがかなり極端に分かれちゃう飲み物。

因みに、キュアラブのなのちゃんがこのお茶のコマーシャルしてて、そこから好きになったんだよね



『よいしょ、』

小銭を入れて、ボタンを押せば聞き覚えのあるペットボトルが落下する音がして。

その場に屈み、中からお茶を出す。


『わっ、冷え冷えだっ』


触ると冷たいボトル。

ひんやりとしていて、無意識にゴクリと喉が鳴り。

キャプを回そうとして、



『おいキミ、そこで何してる』

無遠慮にも肩を掴まれ、手にしていたペットボトルその場で落としてしまった。

小さく『あっ‥‥』と溢れた声、

手からすり抜け、無残にも落ちたペットボトルは形が変形してしまった。


わ、私の‥‥お茶が、

そう言いかけて、言葉を飲んだのは。

『す、すまないっ!決して悪気があったわけじゃ』

肩を掴んだ見知らぬ男子生徒が頭を下げたから。



『あ、‥‥いえいえっ』

『本当に申し訳ない、キミがそのお茶を買おうとするのが見えたからつい』

『‥‥え?』
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