*伝説と言われたあの子*
お兄が私をコトって呼ぶのは、真面目な話をする時だけ。だからかな、久しぶりに呼ばれた名前にドキッとした
ふふっ、変なの。名前呼ばれてドキドキするなんて
『コトは学校嫌か?』
『嫌、じゃない』
『そっか。なら行っとけー、んでダチ作れダチ』
少しだけ砕けた口調になるお兄。
曲げていた膝を伸ばし、腰に手を当てる。
ただそれだけの動作なのにカッコイイ。まるでモデルさんみたい。
黙っていればイケメンの部類に入るだろうなぁ、なんてかなり失礼な事を思ってしまった。
『んじゃ、決まりな!明日から行けよ、高校』
『あ、明日!?急過ぎない!?』
『善は急げって言うだろ〜』
『急ぎ過ぎだよっ!』
思わず声を上げる私、
そんな私を見て、ケラケラ笑うお兄。
ぜんっぜん笑い事じゃないんだけどっ