【完結】私に甘い眼鏡くん
クラスマッチ。
私はひどく体調を崩していた。
「暑い……」
「熱中症? 大丈夫?」
「教室行って休んでなよ。観戦なんてしなくてもいいぐらいなんだから」
「うう……でも気になるよ……」
いつもと違って髪を巻き巻きしてるなっちゃん達が声をかけてくれる。ショートカットが少し伸びたなっちゃんの外ハネはかなり可愛い。
クラスマッチは一大イベントだ。
みんな普段の自分より一段階可愛くなろうと頑張っている。
そんなときに私は頑張りもせずグロッキーなんて運が悪い。
屋外でサッカーの試合を見ているけれど、全然内容が入ってこない。
その上まだ私のクラスの試合はしていない。
私に気づいた太一がこちらへきた。
「彩、顔色悪いな。教室行くか? 連れてく」
俺バスケだからサッカー出ないし、と太一。
「太一! 彩心配だし連れてってあげて!」
「うんうん、春川くんと一緒に行けばいいよ!」
「え……いい……」
「そんなに嫌そうな顔すんな」
いや、なっちゃん。それでいいの?
朦朧とする意識の中思った。
もしかしてなっちゃんは、本当に太一のことなんも思ってないのかな。
私の拒否に対するえー、というブーイングを遮るように声が飛んできた。
「太一! ちょっと来い!」
「……はあ、ごめん」
どうした、と去っていく太一を尻目に、私は「教室で休むね……」と立ち上がった。
気持ち悪くて、呼吸がしづらい。脳に酸素が回っていないような感覚。
落ち着いて深呼吸をしながら一歩一歩足を踏みしめる。
歩くのがすごく辛い。
頑張れ、もうちょっとだ。
手すりを掴みながら階段を登る。
ようやく教室につき、私は自分の席に崩れ落ちた。
視界がちかちかして、どんどん暗くなっていく。
目を開いているはずなのに、何も見えない。
クーラーの涼しさだけを感じていた。
気持ち悪さも、呼吸の苦しさも、全く改善されない。
このまま死んでしまうのではないかと不安に思っていると、今度は眠たくなってきた。
最近深く寝られてないもんなあ……。
遠くでキックオフのホイッスルが鳴った。
みんな頑張って、と心で唱えたところで、意識は完全に途絶えた。
私はひどく体調を崩していた。
「暑い……」
「熱中症? 大丈夫?」
「教室行って休んでなよ。観戦なんてしなくてもいいぐらいなんだから」
「うう……でも気になるよ……」
いつもと違って髪を巻き巻きしてるなっちゃん達が声をかけてくれる。ショートカットが少し伸びたなっちゃんの外ハネはかなり可愛い。
クラスマッチは一大イベントだ。
みんな普段の自分より一段階可愛くなろうと頑張っている。
そんなときに私は頑張りもせずグロッキーなんて運が悪い。
屋外でサッカーの試合を見ているけれど、全然内容が入ってこない。
その上まだ私のクラスの試合はしていない。
私に気づいた太一がこちらへきた。
「彩、顔色悪いな。教室行くか? 連れてく」
俺バスケだからサッカー出ないし、と太一。
「太一! 彩心配だし連れてってあげて!」
「うんうん、春川くんと一緒に行けばいいよ!」
「え……いい……」
「そんなに嫌そうな顔すんな」
いや、なっちゃん。それでいいの?
朦朧とする意識の中思った。
もしかしてなっちゃんは、本当に太一のことなんも思ってないのかな。
私の拒否に対するえー、というブーイングを遮るように声が飛んできた。
「太一! ちょっと来い!」
「……はあ、ごめん」
どうした、と去っていく太一を尻目に、私は「教室で休むね……」と立ち上がった。
気持ち悪くて、呼吸がしづらい。脳に酸素が回っていないような感覚。
落ち着いて深呼吸をしながら一歩一歩足を踏みしめる。
歩くのがすごく辛い。
頑張れ、もうちょっとだ。
手すりを掴みながら階段を登る。
ようやく教室につき、私は自分の席に崩れ落ちた。
視界がちかちかして、どんどん暗くなっていく。
目を開いているはずなのに、何も見えない。
クーラーの涼しさだけを感じていた。
気持ち悪さも、呼吸の苦しさも、全く改善されない。
このまま死んでしまうのではないかと不安に思っていると、今度は眠たくなってきた。
最近深く寝られてないもんなあ……。
遠くでキックオフのホイッスルが鳴った。
みんな頑張って、と心で唱えたところで、意識は完全に途絶えた。