Magic Love Sea〜俺がお前のこと、攫ってやるよ〜
「愛してる。だから一緒に来てくれ」

ディートフリートがそう言うと、ミラは「はい」と頷く。もう一度唇を重ね、ディートフリートはミラを横抱きにして走り出す。

「バイバイ、海軍のトップさん」

「ミラは私たちがもらっていくわ!」

ヘンリーにラナとオーウェンもそう言い放ち、走り出す。ミラが仲間になってくれたことに二人は「やった!」と互いに手を合わせた。



それから数ヶ月後、メシアの船は航海を続けている。目指すは南にある王国だ。悪い海賊が暴れ回っているらしく、ディートフリートに助けを求める手紙が来たのだ。

「メシア以外の海賊は怖いわ」

そう言うミラを抱き締め、「大丈夫。何があっても俺がミラを守る。もう離したりしないからな」とディートフリートは言う。

「急にかっこいいこと言うのはずるい」

ミラにそう言われ、ディートフリートはキスをされる。何度も唇を重ね、気が付けばディートフリートはミラを押し倒していた。

「あっ……」

「もう夜だし、いいだろ?」

妖艶にディートフリートは笑い、ミラにまた口付ける。ディートフリートが攫った宝は何よりも美しい。
< 21 / 22 >

この作品をシェア

pagetop