Magic Love Sea〜俺がお前のこと、攫ってやるよ〜
ディートフリートとラナが言い合っていると、「おい、ディートフリート!ミラちゃんってこの子のことか?」とオーウェン・ハザリーが新聞を片手に立ち上がる。オーウェンはディートフリートと一番仲のいい船員だ。

「ミラがどうしたんだ?」

オーウェンから新聞を受け取ったディートフリートは驚く。それは、ミラ・バートレットが結婚するというものだった。相手は若くして海軍のトップに立っている男らしい。

「ミラ、綺麗になっているな……」

新聞にはミラの顔写真が載っていた。ミラは黒い緩く巻かれた髪を揺らし、アンバーの大きな瞳をしている。美しく成長したミラにディートフリートの胸は高鳴った。

「おいおい、結婚してからじゃもう会えないぞ〜?」

「そうそう!ミラを海賊らしく奪いましょうよ!」

ラナとオーウェンがディートフリートの左右に立ち、今ならまだ奪えるよと囁く。ぐらついていたディートフリートの心は決まった。ディートフリートは船員たちを集め、言った。
< 4 / 22 >

この作品をシェア

pagetop