そばにいろ


「なぁ、拓真」

「なんだい?」

「いや、あの…その…」

「何かあったのかい?」



こいつ…!

こいつ俺が何で悩んでるのか知ってて聞いてやがる。俺の口から言わせるために



「分かるだろ??な?」

「わかんないなぁ
ちゃーんと口で言ってくれなきゃ」


「あーもうわかった!!
俺は見ず知らずの子に一目惚れしたんだよ!
これからどうすればいいんだ!どうやって話しかければいいんだ!」



そう言うと拓真は嬉しそうな顔をした。


「まぁまず大事なのはその子の名前だな」

「名前なんてどうやって聞き出すんだよ。」

「直接聞くのは怪しまれるな」


「だろ?」


「それか彼女が帰宅する時を隠し撮りする」

「隠し撮りなんて失礼すぎるだろ!」


見ず知らずの人を隠し撮りだなんて気が引けて仕方がない


「なら、その子に直接名前聞くか?通報されても知らねぇぞ。」

「……けどなぁ…」

「心配するな。すぐその写真は消す。」

「…そ、そうだな……」

「まぁ俺に任せとけ」
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