そばにいろ


金曜日。

陸くんと会える最後の日。私たちは学校の近くの浜に来ていた。

全てを伝える




「陸くん…」

「ん?」

「陸くんと会えるの今日が最後なんだ」

私は自分の家庭環境の事や人間関係の事全てを話した。




「大変だったんだな…」


そう言うと彼は私の頭をポンっと叩いてくれた。


自然と頬が赤くなる。

なんで?こんなことするの。
今日が最後だって言ってるのに…こんなことされたら…!!


「……また会いたくなるじゃん…」

「え?」

「ごめん!今日は帰る。今までありがとう。楽しかったよ」








陸くんは私の腕を強く掴んだ。


「俺はこのままがいいんだ。」

「え?」

「お前といる時間が楽しいんだ」

「………」

「そばにいろよ」



一緒にいたい…。ずっと。あんな家に戻りたくない

でも、戻らなきゃいけない。私はそういう運命だから


「私はこの身を全て勉強に捧げてきたの。今勉更変えられないの!
それに、あなたとの関係は私の母の名前に傷をつける。これは私だけの問題じゃないから!」


私はその場から走り去った。

胸が痛い。今からでも振り返って彼の胸の中に飛び込みたい。




「俺は…お前が好きだ!」



その言葉を聞いて
走ってる時涙が止まらなかった。
どうしてこんなに涙が溢れるんだろう。分かってたのに、分かってた…はずなのに…






こうなるってこと…

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