そばにいろ
「なぁ」
学校に着くと話しかけて来たのは半田くんだった。
「陸さんとなんかあった?」
半田くんは陸くんと同じ暴走族に所属していて、陸さんの事をしたってる。
だから陸くんから私のことはちょくちょく聞いてたらしい。
「ううん…私のせいだから」
「陸さんの事嫌いになった?」
「陸くんのことは…好きだよ…
まだ本人に言ったことないけど…」
私は半田くんに事情を話した。
「そんなの母親に言えばいいだけじゃね?」
「そんな…簡単に言わないで!!」
私はお母さんに逆らえない。逆らったら私の味方はもういない。お母さんだけが頼り、お母さんだけが信用出来る人。
その信用を失ったら私は…私はっ!
「お前はそれで幸せなのかよ。」
半田くんから出たその言葉は私の心に深く刺さった。