そばにいろ
校門に父の車があった。
あんな事を言った後だから来ないと思っていた。
「帰るか…」
私は黙って父の車に乗った。
「奈津子は今日から海外出張らしい。」
お母さんは年に何回か海外出張がある。
海外にも店舗を増やすためだ。
お母さんのために勉強しなきゃとは思っていても、海外出張と聞くとどこか気が楽になる。
「お前も奈津子がいないんだし、少しは休め。」
また同じことを言われる。
「私はッ……!」
「分かってる。だからだ。」
父が私の体をとても心配してくれてることは伝わった。
この甘さがあるからお父さんはお母さんのようになれないんだ。
甘えなんていらない。
今我慢すれば絶対将来幸せになれる。
今は辛い思いをしなきゃダメ…。