ドラマみたいにはいかない
【2 運命の始まり】


「なつめ何ぼーっとしてんの?笑」
同じクラスのあやかが笑いながら話しかけてきた。
「ただ眠かっただけだよ」
「最近ずっと何かぼけっとしてるよ?」
「何もないよっ!早く次の授業いくよ!」

あぁ。最近なんか気になっちゃう。
そう、成瀬さんのこと。
体育祭が終わってから、何だかずっと気になっていた。
廊下ですれ違うときも、お昼休みに体育館で遊んでいるときも、帰りに玄関で見かけたときも、変に意識していた。
そんな成瀬さんは全く私のこと気にしてなさそうだけど、、

そりゃぁそうだ。
体育祭では神様とありんこみたいな関係だったんだもん。
私の名前と顔すら分からないのかも。
そう思えば思うほどなんだか気になった。

「ねぇ、お昼体育館であそばない?」
「なになつめ!珍しい。いいよ、私も体動かしたかったし!」
お昼休みに少しでも見に行きたくて、私はあやかや近くの友達を誘って体育館に行くようになった。
遠くから廊下で歩いてる姿を見つけた時は、わざわざすれ違えるように遠回りした。


…あれ?
無意識に私めちゃくちゃ恋してる?
そう気づいた時は成瀬さんを見ることが楽しみで学校に来ていた。
その日の一喜一憂は完全に成瀬さんで決まってた。
目があっただけで、顔が燃えるように熱かった。
帰りに玄関で会えない日は、つまんない顔して帰った。
そして私はなにも行動せず、アイドルを見ているような気持ちで過ごしていた。
< 3 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop