アテナ・イェーガー〜真実、のちにキス〜

ニヤニヤとユミルは笑い、ロネを挑発する。ロネは「うるさい！！」と言いながら雷の魔法を使った。森のあちこちに雷が落ちていく。しかし、それもユミルに避けられてしまった。

「そろそろ戻らないとね……」

ユミルはそう言い、ロネに猛スピードで近づいてくる。ロネは「来ないで！ガル！」と魔法をまた放とうとする。しかし、ロネの杖から魔法が出るよりも早くユミルがロネを地面に倒していた。

地面に投げ飛ばされたロネの上にユミルが馬乗りになる。ロネが抵抗しようとした刹那、ロネの白い首にユミルの手がかけられていた。

「あっ……カハッ……」

ロネは必死でユミルの手を離そうとするが、ユミルのロネの首を絞める力は緩むことがない。むしろ先ほどよりも強まっている気がした。

「やめて！！ロネを殺さないで！！」

アテナがそう泣き叫ぶ声が遠くから聞こえた。ロネの頭はジンジン痛み、アテナを見られる状況ではない。しかし、アテナが泣いていることだけはわかった。