【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由
―─が、伏せがちの長い睫毛。いつも煌めく瞳は、僕から逸らされた途端に淀んだように色を失っていく様に気づいてしまった。
飲みたい気分だったのか。だとしたら、なおさらほおっておけない……
「――ねぇ」
咄嗟だった。すれ違いざまに腕を掴む。
しかし、思っていたよりも酔っていた彼女の身体は、それだけで大きくふらついて――。
「……わ、」
「おっと」
傾いてきた小さな身体を抱き止める僕。初めての感触にドギマギした。
別に女性に触れた事がない訳じゃない。昔付き合った人だっているし、セックスの経験だって多少ある。