【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由
でも、心臓が壊れるんじゃないか、って、
そう思えるくらいに…動揺している。
少し熱くて、柔らかな体。
あのシトラス系の爽やかな香りが僕の鼻をくすぐった。
この状況は本気で、やばい。
「あ、あぁ、ごめんね。一次会で帰るからって、飲み過ぎたかも……」
すぐに腕から離れてく温もり。彼女の耳は少しだけ赤くて、僕からサッと視線を反らす。
はじめて見る照れの表情に、心臓が鷲掴みされたように痛む。
――このチャンスを逃せない。