【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由

「一次会で帰るなら、送っていくよ。僕、車だし」

「え、いいよ、悪いし。確か、富丘くんちと方向全然違うよね?」

「いいから、大丈夫だから。じゃ、後で」

有無を言わせない態度を貫き、僕は彼女を背を向けて喫煙スペースに向かう。

「え、ちょっと」とか「待って」とか聞こえるけれど、聞こえないふりだ。

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