【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由
隣に腰を下ろし、プルタブ開けて口にする。
甘ったるい…ココアだ。
「浮気ばっかりして、借金も結構あって、仕事も転々として、なのに好きで、呼ばれればいつでも駆けつけて。………ほんと、都合のいい女なんだぁ」
隣からも、プシュと音がして、
何かを振り切るように、ゴクゴクと勢いよく飲料水が彼女の喉を通る音がする。
僕は、黙って続きを待つ。
おそらく僕に意見は求めていない。聞いてほしいんだと思うから。
「カッコ悪くて自分が嫌になるの。何度も同じことがあっても、期待して、夢見て。さっきも、知らない人とデートしてるとこ見ちゃって……ほんと、諦めのが悪いよね」
断ち切りたいのに、断ち切れない。