【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由

こんなにも僕たちが愛し合える日が来るなら…この十年も無駄では無かった。

今ではそう思える。

同時に、ひとつの決意に踏み切ることができた――

「――ねぇ、明日美」

「ん?」

「前に友人の……里人の会社に誘われてるって話したこと覚えてる?」

彼女は察したようにニコリと笑って頷く。

「覚えてるよ、もちろん」

彼女は何も言わないが、未だ僕の勤める、あの会社にいい思いはしないだろう。

無論僕だって、それは同じなわけで、彼女と家庭を築くために、ステップアップを考えていた。
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