【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由

「あの話、引き受けようと思うんだけど……、君はどう思う?」

彼女は今度はふふっと声を上げて笑い、そっと僕の手のひらに指先を絡める。

最近の彼女は、『言わずとも真斗のことはお見通し』と言った雰囲気だ。

それがくすぐったくも、言葉に言い表せないほど愛おしい。

「私は、どっちを選んでも応援するよ。今の会社でも、陽咲さんのところでも。真斗が真摯に仕事に取り組む姿は知ってるから。だから、やりたいことをやって欲しい」

予想通りの答えに思わず笑みがこぼれ、絡み合う指先を引き寄せて、彼女を胸に抱く。
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