【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由
「感謝してるに決まってるよ……。ありのままの私を受け入れてくれる人が、こんなに近くにいたんだって、気付けてよかったよ」
『努力しなくても…ありのままを受け入れてくれる人がいるんと思うけど』
彼女は以前、僕が元カレとの関係に悩む彼女にかけた言葉を用いて、そう答えてくれた。
ほんと、敵わない。
「ありがとう、真斗。あなたはたまに不安そうな顔をするけど、私はとっても幸せだよ。これからもずっとずっと、そばにいてね」
照れくさそうに長い髪を耳にかける彼女の左手の薬指には、プロポーズの数週間後に二人で買いに行った、ウェーブラインのダイヤの婚約指輪がキラキラ輝いていた。