俺の彼女はHSP
暴言を吐きながら自転車を漕ぐ。夏の日差しが容赦なく健斗を照りつけ、汗がダラダラと滴り落ちた。

健斗はテストの成績が悪かったため、母親に塾に行くよう勝手に申し込まれてしまったのだ。それも厳しいことで評判の塾である。

「ダルッ!これで二学期始まってからも行かなきゃいけなかったら死ぬわ」

自転車を漕ぎ続け、三十分ほどでその塾に到着した。学校の授業とは違い、マンツーマンで教わる個別指導塾だ。

「今日からお世話になります。月崎健斗で〜す」

気怠そうに健斗は挨拶をし、先生が早速「じゃあ月崎くんがどの範囲が苦手か教えてくれるかな?」とプリントの山を出してきた。健斗の苦手な数学と英語、そして世界史だ。

「は、は〜い……」

山ほど出されたプリントに健斗は心の中で悪態を吐きつつ、プリントにとりあえず取りかかる。その時、ふとあることに気付いた。

健斗の隣では、健斗と同じ学年と思われるショートカットの女子がいた。白い清楚なワンピースがよく似合っている。綺麗な足や首すじに健斗はゴクリと喉を鳴らした。
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