俺の彼女はHSP
その女子はプリントを熱心に解いているかと思えば、顔を上げて何やら困っていそうな顔をしている。何かわからない問題があるのかと健斗は最初思ったのだが、女子の視線を見て違うと気付いた。

「ひょっとして眩しい?」

健斗は思わず話しかけていた。明るい光を届けている電灯を見ていた女子はびくりと肩を震わせ、「は、はい!そうなんです……」と申し訳なさそうに言った。

「明るさ、このくらいでいいか?」

電灯の明るさを変えるためのスイッチはちょうど健斗の隣にあった。健斗は立ち上がり、明るさを調節する。少し部屋は暗くなったが、勉強するのに問題はない暗さだ。

「ありがとうございます」

女子はニコリと微笑む。健斗の胸が高鳴った。そして、健斗はプリントに集中できなくなるほどその女子のことが気になり始めた。



二時間連続の授業が終わってから、二十分ほど休憩がある。健斗はため息をつきながらまだ終わっていないプリントの山を見つめる。これから夏休みのほとんどのこんなプリントと向き合わなければならないのだ。
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