俺の彼女はHSP
教室にいた生徒全員が一斉に休憩となったため、先ほどまで静かだった教室は一気に騒がしくなった。低学年の子は奇声を上げて走り回っている。

うるせえな、と健斗が思いながらスマホを取り出そうとすると電灯の明るさを気にしていたあの女子が肩を震わせて教室を出て行った。その時に見た横顔がとても辛そうで、健斗は心配になり女子を追って立ち上がる。

女子は教室から離れた廊下に出て窓をぼんやり見つめていた。その目は虚ろで健斗は心配になり声をかける。

「大丈夫?」

すると、女子は驚いた目で健斗を見つめた後、耳から耳栓を抜いた。普通の高校生の女子が持っていないであろうものに健斗は驚く。

「心配かけてすみません。あなた、さっき電気の明るさを調整してくれた人ですよね?さっきはありがとうございました」

ペコリと丁寧に女子はお辞儀をする。健斗は「いや、それはいいんだけどさ……」と頰をポリポリかいた。丁寧なお礼に照れ臭くなっていく。
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