砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
土曜日は、朝から雨だった。

「雨か~。予報は晴れだったんだけどな。」

先生と二人、待ち合わせのお店の軒下で、止まない雨を眺めていた。

「ご馳走様でした。パスタ、美味しかったです。」

「ううん。美味しかったなら、よかった。」

それから二人黙ってしまったから、雨の音がうるさい。

「バイトまでまだ、時間ある?」

「そうですね。」

時計を見たら、まだ時間的に余裕がある。

「……少し、歩こうか。」

先生が傘をさして、私がその中に入った。

「もっと寄らないと、雨に濡れる。」

そう言って、肩を抱き寄せてくれた。

「先生……」

「ん?」

ふいに先生と、目が合った。

すると、先生の顔が近づいてきて、唇と唇が重なった。


私のファーストキスだった。
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