砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
留学先
それから半年が経った頃。

一枚の張り紙が、構内に張り出された。

「何のお知らせ?」

「留学だって。」

同じ医学部に通う生徒が、ざわついている。

「留学って言っても、知らない国だよ。」

「医者が足りないから、生徒を送り込もうって魂胆でしょ。」

生徒の一部は、怪訝していた。

もちろん私は、留学なんて後回し。

今は、立派な医者になるのが、最優先だから。


そして1カ月経っても、その留学の知らせは、外されなかった。

「まだ、決まってないの?」

私は友達に聞いてみた。

「決まる訳ないでしょ。中東の聞いた事ない国だよ?」

中東の国!?

私は、ドキドキしながら、改めてその張り紙を見つめた。

行先は、”モルテザー王国”になっていた。


モルテザー王国。
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