砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
すがるような瞳で、私は訴えた。

「でもねぇ。」

それでも担当の人は、うんと言ってくれない。

「どうしたら、行けますか?」

逆に聞いてみた。

「君が優秀な医師になると、誰かにお墨付きでも貰えたらね。」

「本当ですか!?」

私は担当の人の腕に、しがみついた。

「本当にそれで、モルテザー王国に行けるんですね。」

「いや、いいけれど……なんでそんなにモルテザー王国に、行きたがるの?」

「行かなきゃいけないんです。」

「はあ?」

「私、モルテザー王国に行かなきゃならないんです。」

鼻から思いっきり息を吐いた。

「あっ、そう。じゃあ、推薦者。お願いね。」

「はい!」

私は喜び勇んで、部屋を出て、真っすぐに津田先生の元へ走って行った。
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