砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「はい。その方が、夢の第1歩って感じで、返って気負いしないかも。」

「そうか。」


そうよ。

アムジャドの側にいるには、その国の現状を知らないと。

私はせっかく医学の道を歩んでいるんだから、それで貢献しないと。

アムジャド。

私は今、自分の夢に向かって、突き進んでいるよ。

アムジャドは?

問いかけても、返事は来ない。

それでも話しかけてしまう。

思い出の中の、私の中のアムジャドに。


そして、モルテザー王国への旅立ちの日。

空港で、津田先生と合流した。

「千奈ちゃん、いいかい?これからの3カ月。どんな危険が待っているか分からない。決して俺の側を離れなれてはいけないよ。」

「はい。」

こういう時、津田先生は頼りになる。

「さあ、行こうか。」


一路、モルテザー王国に。
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